「逆NTRでガツガツ来るヒロイン」を求めている人向け。
この記事では、カラダから始まる関係がどんな風に依存愛へ煮詰まっていくのか、体験談のような密度で味わえるポイントがわかります。

あわせて読みたい作品レビュー
作品概要
恋愛下手なバリキャリOL・八羊澤あやめは、同僚の牛丸と一度だけ寝てしまったのがきっかけで、どんどん心を開きはじめる。当初は火遊びだと割り切っていたはずが、互いが互いを必要とする日々へ。会社とホテルという狭間で交わされる嫉妬やIラブを軸に、過激で濃密なふたつの愛のかたちを収録した二冊目の作品集。電子版だけの特典として、帰宅後の甘々日常が描かれる書き下ろし後日談も付く。
作品の魅力
――逆NTRというと、いつもは肉食ヒロインがヤリにいく構図で終わるものが多い。でもここではあやめが自分で「索りたい」と口にする向こうに、怯えながらも拒めない牛丸がいる。そのギャップが癖になる。物理的に依存する、という言葉通り、たとえば社内のストックルームであやめが彼の首に縋り、白い裏地に口紅が付いてしまう瞬間は、まるで漫画のコマがジワッと赤く染まるような臨場感だった。それはたんにエロいだけでなく、「私だけを見て」と必死に爪を立てる揺らぎが目に焼き付く。
恋愛不経験のOLは、いきなり襲いかかるわけではない。満員電車で押しつけられた胸の熱が、夜遅くのラインで「また会えないかな」に変わるまでに三ヶ月。次の出張先で鍵を預けたホテルの一室、深夜24:48のタイムスタンプ付きチャット。仕事の話をしながら膝の上に載せた手が震えて、「ねえ、触ってもいい?」と小さく呟くあやめ。そんな一針一針の小さな破綻が、だんだん糸をぐるぐる巻きにして「もう離れられない」と呪文のように紡がれていく。この不穏な密度は、いわゆる「ラブラブエンド」への落差が予想されるからこそ胃の奥に釘が刺さる感覚をもたらすのであった。
誤解を恐れずに言えば、この作品のエロスはむしろ「会計上の穴埋め」に似ている。赤字続きの決算書を見るような焦燥感。牛丸の実家が抱える借金、あやめが抱えたブラック企業の引き継ぎ――両者の枷がシーツの上で絡まるたび「もうこれで逃げられない」と呟くあやめの瞳が、ギラリと磨り玻璃のように濁る。たとえば靴下を脱ぎながら「会社で俺のこと独占してるでしょ」と小声で咎める牛丸に対し、あやめが「だってあなたも私に依存してるんでしょ?」と返す場面では、ただの唇と舌の応酬では終わらず、請求書がじゃらじゃらと舞い降りてきそうな重みがある。それでも繋がっていたいという依存への饒舌は、まるで耳元で囁かれた内密の契約書にサインをすることに他ならない。
デジタル特装版で追加された後日談では、ふたりが一緒に住み始めた三ヶ月後の平穏な朝が描かれる。インターホンが鳴り、スーパーの配達員が届けてくれた冷凍餃子を受け取るあやめ。「ねえ、昨日の続きしよう?」と隣で寝ぼけ眼の牛丸を見つめ――。ここまでくると「破綻する恋」の予兆はもう吹き飛んでしまいそうだが、それでもあやめは「私、やっぱりあなたに縋ってる」とニックネーム抜きで呼ぶ。依存の果てに見えた“幸せの形”は、正直最初は拍子抜けした。けれど秒針が進むにつれ“これでいいのか”という戸惑いがスキンシップに変わり、なんとなく掌と掌が重なった瞬間、「ああ、この余裕が怖い」とふたり同時に呟いた無言劇。そういう名残惜しさを美味しく残す鮎川さんの手腕は、マジで手加減なし。
気になる点
牛丸の過去がラスト的に横入りするところだけ、もう一歩掘り下げてほしかった。
こんな人におすすめ
「肉食だけど不安定なヒロイン」を求めている人。
肉体関係から始まり、お互いが引き裂けない執着に發展する“溺愛オフィスラブ”が食べたい人。
詳細はこちら
「八羊澤あやめは縋りたい【デジタル特装版】」下記サイトにて配信中です。他の作品も多数公開されていますので、まずは下記サイトでチェックしてみてください。
※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。リンク先はFANZA公式サイトです。
前後の記事・同カテゴリ
同じカテゴリの記事
