積極的ヒロインが主人公を誘う逆NTR展開を探しながら、青春の切なさも味わいたい人向け。この記事では「春くらべ」の全体的な雰囲気と、もし逆NTR好きが手に取ったらどう感じるかがわかります。

作品概要
広木は一年前から香純への片想いを抱えていたが、奥手さが邪魔をして距離は縮まらなかった。宮田綾という明るい後輩の協力で香純とやっと会話できるようになるが、喜んだのもつかの間、彼女に彼氏がいることを知ってしまう。身体の変化と心の胸騒ぎを映す、成長期ならではの痛くて甘い長編恋愛。
作品の魅力
逆NTRを物色する僕が表紙の春色に誘われて拾ったら、出だしは確かに「ドキッ」とさせられた。しかし十ページも進むと、すれ違い続ける不器用な広木の心理が妙に自分と重なってしまって、イラっというより胸がズキッとなる。その痛さが「たとえば彼が香純の傘を差そうとしてもう一歩が出ないシーンでは」、思わず本を閉じたくなるほどなのに、何故かまたページをめくってしまう。
宮田綾が出てくる場面では、ギャグテイストと距離の詰め方で空気が一転する。軽やかでも決して軽薄じゃなくて、主人公を無理に押すのではなく同じ視線で寄り添う。「目の前にピザがあるのに『今食べたい』って言えない子みたいだね」と笑う綾に、変に納得させられてしまう。でもこの親近感は恋敵と違って、彼女がいる時の息苦しさが一時的に軽くなるから不思議だ。
香純との距離が縮まる瞬間ほど、空回りする広木の言葉が逆に距離を引き離していく。観客である僕は「もう言え!」と身を乗るのに、彼はどうしたってその一歩が踏み出せない。それを見ているうちに、逆NTRの「奪いにくるヒロイン」が求める衝動がなんだか遠のいて、代わりに「広木の代わりに全部喋ってやりたい」という奇妙な父性が芽生えた。青春というのは、こうして一歩踏み出せないまま爆発するのかと改めて認識させられた。
後半へ向かって、身体が変わっていく自覚と胸の奥の疼きが交錯する。汗ばむ季節の中、履き慣れない制服の襟元を引っ張る動作が絶え間なく描かれる。香純が俯いた瞬間の鎖骨の窪み、綾が走り去ったあとの後ろ髪、そして広木が掴み損ねた手のひらに残る風。細やかな描写の積み重ねが、かえって愚直で不器用な恋を丹念に抽出していく。その丹念さが、逆NTR好きが求める“一撃の破壊力”とは正反対だったけれど、読後に残る違和感が案外“刺さる”タイプの疼きに似ていることに気づいた。
気になる点
心拍が速くなる展開の置き方は温めに温めて温め抜く感じで、期待していた“ぐっと来る”瞬間はやや穏やか。正直物足りなく感じる読者もいるかも。
こんな人におすすめ
「積極的な女の子に背中を押される主人公」を求めている人。さらに、もどかしい片想いの中で“何かが終わる”瞬間を味わいたい人にも合う。
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