佑助と彼女たちの“昔”と“今”が気になる人向け。この記事では『昔日モラトリアム』で描かれる三角関係の裏側や、思春期退去後に揺れる“居場所”への執着が、どう描かれているのかがわかります。










作品概要
『フリータイム・シンドローム』から続く物語、シリーズ第3作。大学卒業後、フリーターとして生活する佑助の目の前に、かつて同棲していた彼女・小夜子と再会する。同時に、現在同棲中の彩花との関係も動き出す。過去と現在のふたつの“日常”が交差するなか、佑助の過去も少しずつ明かされていく。アダルトマンガでは珍しい、時間を経ても消えない“未整理の感情”を、丁寧にえぐるセックス・アンサンブル。
作品の魅力
時間が経過しても「終わらない」という欲望が残る、それはたとえば裕福な家庭の居間で見せる小夜子の瞳に映る憎しみでもある。彩華と初めて夜を過ごした直後、佑助の部屋に置かれた灰皿には“嫌い”というだけでは片づけられない灰が残った。その灰の感触に気づいた瞬間、俺も自分の硬くなった部分を“不安”と置き換えて読んでしまった。逆NTRではない、それでも強くて新しい種類の焦燥感だった。
彼女たちを隔てる「矢継ぎ早の言葉」と違って、ページをめくるたびに音を立てるのは布団の湿り具合だ。彩華が佑助の胸に爪を立てて「もういやだ」と呟くと、すぐ隣のコマでは小夜子がスマートフォンの画面越しに「会いたい」と告げる。線と線、セリフと呼吸。二つの女の胸のふくらみは鏡映しに、背の高さで差をつけられ、俺はページを挟んで果てるしかなかった。彩華の左乳首は少しばかり「そっぽを向いて」陥没し、その凹みに佑助の舌を潜り込ませることで彼は「居場所」を更新する。途方もない工程だ。
過去の小夜子と一緒に見た引き戸の向こう、深夜のコンビニエンスストアでの万引きは「同級生のショーツを盗んだ」というシンプルな記憶。そのとき彼は小夜子の太ももに自分の膝を滑らせながら、ふたりでスイーツを盗んで食べてしまった。そこに生まれた連帯感は、今は彩華の唾液から引き出される。違う女の体から、同じ温度を嗅ぎ取る行為は“記憶の部分的検索”に似ていて、「俺も赤ちゃんじゃない」と突っ張る佑助の顔が、他の誰とも共有できない声色と白さに変わる。息を吐くたび、胸が小刻みに震える。生々しい。
オチを3コマに分けて配置する贅沢。最後はキャッチコピーのない上段だけ、彩華がカーテン越しに外を眺める汚れきった手の甲。続いて小夜子は息遣いすらさせないボーイッシュな仕草でスカートを捲りあげ、佑助はふたりを見比べて小さく舌打ちする。音は出ない。ただし、夕方から夜まで描かれる22Pに及ぶハメ撮りディレクターズカットは「覚書」でもなく「哀悼」であり、構図を変えるたびに過去の傷跡が助長される。俺はページを閉じるとき、初めて週刊誌の見出しを思い浮かべるほど、瑞々しい疼きを残した。
気になる点
小夜子の回想パートが短く、正反対に彩華との行為が長すぎるため、“どっちに感情移入すればいいのか”が一瞬迷うタイミングがある。
こんな人におすすめ
積極的に佑助の弱みを責めるヒロインが好きな人に。失恋の痛みと体の火照りを紐解きたいと考えている人からも反応があるはずだ。
詳細はこちら
「昔日モラトリアム」下記サイトにて配信中です。他の作品も多数公開されていますので、まずは下記サイトでチェックしてみてください。
あわせて読みたい作品レビュー
※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。リンク先はFANZA公式サイトです。
前後の記事・同カテゴリ
同じカテゴリの記事
