全身に火傷痕を持つ少女と、それでも惹かれてしまう少年の物語にハラハラしたい人向け。ねじやのひと流の切なくて淫靡な「逆純愛」がどんな味わいか、この記事では作品の雰囲気とヌケ感を先に味わえます。










作品概要
新学期のクラス紹介、教壇に立つ一人の少女。その顔と腕に残る赤黒い火傷は、誰とも交わらない拒絶の印のようだった。けれど僕は――黒川達也は、一瞬で胸が熱くなった。その痕跡ごと抱きしめたい、そう思った。だが少女・榎本陽火は無口で、触れられればギリギリと泣き叫ぶ。二人の距離が縮むにつれ浮かび上がる彼女の過去と、火傷の“本当の理由”。教室の後ろで音もなく燃える放課後、二人だけの灼熱の時間が始まる。
作品の魅力
化膿した皮膚を見せびらかす女の子の顔を前にして、それでも勃起が治まらなくなるほど戸惑った。黒川が演台のわきで陽火の手を取ったとき、彼女は反射的に自分の制服袖で火傷を隠した。嫌がる動きを「触りたいのはそっちのほうじゃなくて、こっちのほうだよ」と少年は自分のズボン越しに勃起を押し当てる。一瞬で少女の拒絶が色めく。傷の痛みを甘噛みで紛らわせる唇が震える場面で、私は息を飲んだ。深い火傷だって身体の一部、拒絶される理由にはならないという強引な肯定がはてなはためらいを武器にしている姿勢、まさしく逆NTR魂だった。
たとえば体育倉庫のシーンでは、錆びた浄水器の蛇口を捻るみたいに手慣れた仕種で陽火が水着の紐を外す。周りには薄汚れたマットが山積み、ビニールの匂いが充満。彼女は自分の火傷だらけの背中を少年に向けて「見える?」と確認し、黒川が頷いた瞬間、少女は劇的に甘える。涙声で「触って」と require する様は、初心を舐め取られる大学生とは違って、かつて誰に受け入れられなかった己の傷を預ける放心感。放課後の倉庫は外から鍵を掛けられ、誰も入れないことが二人にだけわかる。閉塞感が逆に胸の昂りを煽り、読者はこっそり仲間入りしたような共犯の甘さを味わう。
ねじやのひとは上色を貧弱にして、線一本で感情を爆発させる天才だ。火傷を汁で湿らせた肌、綻びたワッフル生地みたいな筋質まで描かず、ただ朱と黒の境界線だけで「傷」の重さを伝えてくる。その儚さと艶っぽさのギャップに、いつも「新鮮」と感想を書きそうになる受け身が起き上がる。方眼紙柄の点線で区切ったページの、オレンジにじんだ炎に似せた光源が焦点のない部活動室、保健室、グラウンド裏の空き地へと移っていくシーン流しは映画的。ボリューム162頁の短さのくせに時間が歪む感覚、まるで焦がれた相手と二時間だけ確保したラブホの時間差。描かれてない部分を読者の脳が補間する余白が、肌の熱さや火傷のざらつきをより強く焼き付ける。絵柄だけじゃなく「描かれない空気」の演出もまた興奮をドライブしてくる。
気になる点
陽火の過去の火事が唐突に語られるクライマックスで、私はビビッとざわめく胸を抑えなかった。「焼身」シチュエーションがエロティックに転じるフリップは発明賞ものでも、背景説明が薄すぎて一瞬棒読み気味で焦げた。
こんな人におすすめ
深い傷や欠落を抱えた少女を労わりながら貪りたいという欲求に火が点く人。教室の片隅やグラウンドの裏など、普段決して触れない場所でたった二人だけの時間を確保できる背徳感が刺さる人にも全力で推したい。
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