異種間恋愛や、ちょっとファンタジー寄りの切ないラブストーリーが気になる人向け。人外ヒロインの情熱的な恋模様や、運命に逆らえないふたりの関係性にときめく瞬間が楽しめるこの作品。この記事では、さんじろの描く“ヒトじゃない”存在との甘くて苦い恋の描き方や、収録作それぞれの温度感がわかります。

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作品概要
| タイトル | ヒトじゃなくても君が好き |
|---|---|
| 作者 | さんじろ |
『ヒトじゃなくても君が好き』は、さんじろによる初の単行本で、異種間恋愛をテーマにした短編集。宇宙から来たデリヘル嬢との距離の近さと遠さを描いた「2万8千光年からの恋人」を筆頭に、SNSで話題になった「すべてがつながる場所で、また」など、現実と非現実の狭間で揺れる恋の形が収録されている。ヒトではない存在と、それでも愛を確かめ合う人々の姿を通し、愛情の本質に迫る一冊だ。
作品の魅力
物語の軸にあるのは、「違い」を受け入れることの難しさと、その先にある温もりだ。たとえば「2万8千光年からの恋人」の冒頭、主人公の部屋に突然現れた宇宙人・ルナが、まるで疲れた一般女性のように靴を脱いでソファに倒れ込むシーンでは、非人間であるはずの存在が、日常の痛みや疲れをちゃんと持っていることに胸が締めつけられる。彼女が体を売るのは、母星への帰還資金を稼ぐため——という理屈があるのに、それでも彼女の喘ぎ声や笑顔の裏にある孤独が、読むほどに重くのしかかる。
この世界では、人外であることが特別視されないかわりに、差別や偏見がもっと静かに、しかし確実に存在している。たとえば「すべてがつながる場所で、また」では、人間と精霊の間に生まれた双子の兄妹が、どちらの世界にも完全に属せず、記憶さえも断片化されている。彼らが互いに手を重ね、消えそうな記憶をすくいあげる場面では、血のつながり以上の絆が言葉にならない間で伝わってくる。語られない部分の多いセリフや沈黙、目の動きが物語を動かすからこそ、読者は感情の端々に敏感になる。
シナリオの力量が光るのは、愛情の表現が常に「与える」ことではなく、「奪われる」ことにも視線を向ける点だ。たとえば、一人の男が恋人の魔物化を阻止できず、彼女が徐々に人間らしさを失っていく「褪せる肌」では、彼の無力感が苛立ちに変わり、最終的に抱きしめるべき相手を殴る——という衝撃の展開がある。でもその後の、彼女が獣の手で彼の顔を優しくなでるカットには、人間性の有無を超えた愛が宿っている。こうした逆転の視点が、単なる「かわいそう」や「悲恋」の枠を飛び越えさせる。
どの話も、恋愛を通じて「何が人間らしさか」と問いかけるが、答えは出さない。代わりに、体温や声のトーン、触れ合いの質感といった、小説では伝えきれない細部を、線とトーンで丁寧に描いている。絵柄はややリアル寄りだが、感情が高まる場面では顔の描写がミニマムになり、代わりに背景の影や服の皺に感情が宿る。15年以上同人誌を読み続けてきた目で言うが、こういう“抑制された熱さ”は、あまり他では見られない。
気になる点
収録作のトーンが全体的に静かすぎるため、一気に読み切ると若干の停滞感がある。もう一作、リズムを変えるようなアクティブな恋愛譚が欲しかった。
こんな人におすすめ
人外ヒロインとの恋に非倫理的な高揚を求める人、そして切なさよりも“温かいままで終わらない”関係性を求めている人にうってつけ。日常の中に突然降りてくる非現実に、心が揺さぶられる瞬間を味わいたい人にも。異種間恋愛を単なるファンタジーとしてではなく、孤独やアイデンティティとリンクさせて感じ取りたいなら、この一冊はきっと刺さる。
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