逆NTRや積極的ヒロインが好物って人向けの記事。たまびの「これから【デジタル特装版】」はどう描いてる? 画力は? ネタ回しは? 同じ趣味のやまだが15年・2000作あるレビュー眼で正直ガッチリ読み解く。読めば「買うべきかどうか」がすぐわかるはずだ。

他にもこんな作品がおすすめ!
作品概要
| タイトル | これから 【デジタル特装版】 |
|---|
たまび初の単行本となるGOT合同作品集。日々を前向きに生きるふたりの初恋、挫折、再会を繊細な線で描き出す。小学生のころの淡い恋、高校で過ぎてしまった別れ、大人になって街角で偶然との再会。時間を超えて呼吸を合わせる二人の、まっすぐで不器用な姿が温かく、丁寧に綴られる。デジタル特装版には、描き下ろしエピソードも1話追加収録。
作品の魅力
タイトルだけ見ると王道純愛か? と思いきや、ページを捲るとひたすら主人公を追い回すヒロインがズドンと現れる。たとえば屋上で「今日は絶対に逃げないで」と腕を掴むシーンでは、少女のまま真剣な瞳に射抜かれる瞬間がある。女の子が主導権を握るのはキャラの性格なのか、それとも作者たまびの信条なのか、紙面が熱を帯びる。この「一方的に押しかける愛」が逆NTR好きの僕にはたまらない。「好きです」という台詞が狼狽える少年を前に、しかも正々堂々言い放つ度合いに深呼吸する必要が出てくる。
挿絵は澄んだ水彩タッチ。線が細いのにコントラストが厚く、感情が色として滲む。改めて見直すと、主人公の頬の赤味がページを追うごとに増えていき、告白の場面では耳朶まで朱に染まる。そこにヒロインの白は際立つ。ただ「可愛い」の押し売りではない。唇を噛んで涙を堪える場面もあれば、突然駆け出して少年を後ろから掴む宙返り的構図もある。動きと静止が行き交う画面が、まだ15センチほどしか離れていない唇の位置で止まる。読者である僕の心臓も規格外の鼓動を叩き始めるのがわかる。コマ割りが凄い。ふたつの顔を横並びにした瞬間、ふいに半分カットされて、次のページで全画面見開きに。ドキッとした心音に合わせて視界が広がる演出。
エロの強度は押さえ気味。最初は肩透かしを食らうかもしれない。でも「攻め」のはヒロインだから、肌の接点を増やすのも主導権は彼女にある。たとえば私服デート中に「このあと一緒に帰らない?」と囁くとき、少年は途方に暮れるだけ。服が一枚一枚減っていく過程で、視線の上下が逆転する瞬間がある。これまで見上げていた少年が、いや、むしろ初めて見下ろす位置へ。そこに潜む優越感と羞恥が絡み合って、愛撫の指が震える。やがて重なり合うときも、もはや受け身ではない。「今度はこうして」と誘導する声は甘く粘り、塩気を帯びる。生々しさは強すぎず弱すぎず、リードされる悦びだけが確実に残る。性的な場面でも、彼女の笑顔が汗に濡れても決して崩れないのは、本作最大の醍醐味だと思う。
巻末の特装エピソード「雨の日の午後」も扱いが絶妙。再会した二人が大学生になり因縁バーで顔を合わせる話。赤ワイン片手に「やっぱりまだ好き」と切り出す彼女は以前よりも図太い。周りの客が「おー素敵だねー」と拍手する様子がありありと想像できる。幸福に包まれながらも、初体験の不安をちらりと覗かせる少年の心理描写がまたいい。先輩OLに絡め取られかけたところで、ヒロインが「離せ」と腕を掴んで「私の彼です」と宣言。ここでの「宣言」が胸にズキリと刺さる。自分でも気付かぬうちに首筋を赤く染め、握られた手にそっと力を込める。この変化を何気ない日常リズムで描くたまびの手腕、正直尊敬しかない。
気になる点
シリーズを知らない読者には第三者の登場人物との関係性が若干引っかかりそう(サークル合同誌由来のせいか)。
こんな人におすすめ
積極的ヒロインに心臓を鷲掴みにされたい人。逆NTR以外にも「年下の彼女に押し倒されたい」という願望をこっそり温めている人。「告白してくれるのはいいけど、逃げられたらどうしよう」と青ざめる男子向けの妄想を具現化した作品。
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