色街とリアルな借金地獄、ふたつが混ざったらどんな濡れ場になる? その化学反応に首を傾けてしまう人向け。この記事では、新人男が「客なし巨乳遊女」に無理やり潜り込むまでの有様を、ネタバレ短めでわかります。

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作品概要
| タイトル | 色街二溢レ滴ル花ノ蜜 |
|---|---|
| 作者 | 彩画堂 |
東京の大学生・堺ゆうきは、父の借金で一夜にして路頭に迷う。返済の手立てとして辿り着いた老舗料亭『樋口屋』は、江戸前から続く色街・翔川新地の住み込み店だった。女主人は「客が途絶えた舞を抱け」とゆうきに命令する。艶やかな年上美女・舞を毎晩抱く苦肉の営みに、次第にゆうきは他の女遊びにも手を出す。そこに漂う遊女や禿の亡霊が、るりるりと輪郭を浮かび上がらせていく。男は女を貪るほど、街は深く秘密を開く――。
作品の魅力
──香ばしく湯気立つ割烹の奥、行灯の灯りを浴びてひらいた紺の裾。まず視界を占めたのは、着物を脱ぎかけて籐の椅に腰掛ける舞の背中だった。肩甲骨の谷に汗が溜まり、ぽたりと滴る瞬間、作者の筆は「濡れる」という言葉を音に近い質感で描き切る。木の縁が汗を吸う音まで聞こえそうな濃さに、読み始めて三ページでページを裏返す手が震えた。
何より新鮮だったのは、「逆押し売り」の状況設定だ。借金という外圧でセックスをしなくてはならない青年と、客が減らされてしまった遊女たち。こちらは欲情して、あちらは欲情させて──という構図が逆転している。たとえば夜通常営業後の台所で、ゆうきが皿を洗う背後から禿時代の少女(幽霊らしい)が「お客さん、私も」と襟元を引っ張るシーンでは、押し売り未遂に気づいた舞がさりげなく「下がってて」と割り込み、先客が後客を追い払う。見ているこちらが「え、順番待ち?」と混乱するほど、遊郭の熟練手の「横取り」文化が活きている。
語り口は和風エロスの定番に見えたが、違った部分が刺さった。描写に絡まるまま旅館業界のいろはをさらりと織り込む――「座敷は先に水で濡らさないと、脂が付いて帳簿に穴が空くわ」「なんで仏頂面してるの? これだと次の客に伝わるでしょ」など、商売用のやりとりの奥に蠢く女たちの無遠慮さが実に面白い。べっとりする場面でヘラヘラ笑いまで浮かんでしまう仕掛けは、同人でこそ出来る遊び心だ。
亡霊という幻想的要素は、軸はブレずに「色街の意味」を掘り下げるライター役に徹している。視えない亡霊が抱かれる度に、思いがけず肉体が霞んで――という即物的演出で、男が女に溺れる様はいわば「場所の記憶」と重ね合わせている。A子さんもBさんも抱いた、でも私は誰より抱いた――そんな負け惜しみじみた遊郭の論理が、幻想の挿話でスパイスされる。ページをめくるたび中が澄んでいく感覚は、呪われている息苦しさとは別の、殺伐とした色気を纏っている。
最後に、こうして読み終わったとき「あれ、借金の返済どうなった?」と脳裏を過ぎる矛盾が、むしろ心地よい。構造を支える楔である借金そのものが、肝心のラストに置いておいて破綻しないのは、胴体にまとった漆黒の長襦袢を思わせる絵柄のインパクトと、営業後のひと悶着ごとに増殖する登場人物のボリュームのせいだろう。構図は開いているのに、読了後に湧く喪失感は意外と奥行きがあり──色街の闇に溺れた迹に、自分が居た場所の名を忘れてしまうような気配を運んでいる。
気になる点
語り部がメイン男視点に拘りすぎるせいで、舞の内面が推測モードに終始するのがもったいない。もう少し主導できる気配を見せてほしかった。
こんな人におすすめ
江戸遊郭ごっこや花魁カツラを被ってみたい好奇心を抱える人。混沌とした大人社会に沈む青年が、逆に女たちを翻弄していく展開が欲しい人。フェティッシュを超越した色街の闇に、身も心も塗り潰されたい人。
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