助けが間に合わなかった冒険者たち2

ひみつの星園

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“助けが間に合わなかった”というタイトルに重々しさを感じてしまった人向け。転落した冒険者がどう生還するのか、そして何を失ってしまうのか、その先に描かれる人間模様が気になる人向けです。この記事では登場キャラの変化のありようと、作者の描き方がどこにグッとくるポイントかがわかります。










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作品概要

タイトル助けが間に合わなかった冒険者たち2
作者ひみつの星園

平原で待っていたはずのパーティは、大ダンジョン最下層に落ちて逃げ遅れていた。帰還した時にはすでに醜く転生した姿となり、村や街で一目で「洛陽たちだ」とわかるほど変わり果てていた。それでも彼らは酒を呷り、剣を手に仕事を請け負う。遺した家族や友人、償いのためにも生きねばならない。過酷な懲罰を背負いながら、戦いつづける日々を実に静かに描く。

作品の魅力

付け焼き刃のサブタイトルじゃない。「助けが間に合わなかった」は文字通り。痛々しい帰還の様子を誌面冒頭にズバリ置いてくるところに、ひみつの星園の“逆NTR好き”としての潔さがある。冒険者は英雄としてじゃなく、骸骨化した仮面を被り鎧はねじ切れたまま宿屋へ。たとえば宿屋の女主人が焼け焦げた耳元に「おかえり」と囁くシーンでは、読者の胸も眉間もキュッとなる。

作画面ではもはやファンタジーじゃなく記録文学に近い。皮膚の焼けた跡や義足の接合部分がバキバキと陰影で描かれ、ある意味“見たくない創傷”が容赦なくそこにある。たとえばロングショットで眺めた街道では、村いっぱいの子どもたちがこの“怪物”を遠巻きにする構図。ここがいつもの敗北モノと違って新鮮だったのは、主人公側から視点がズレる瞬間もちゃんと描いてくれることだ。恥辱は味方だけでなく、彼らを見る他者の目にちゃんとある。

シナリオの肝は「償いだが誰のため?」。金に糸目はつけずに無茶な依頼を引き受ける彼らは、ギルドの評価を上げたいわけじゃない。村の集会所で蜜蝋で補佐した腕を見せながら「息子の仇を取る」と語る父親への返礼。それでも報酬はタダに近い。ただ歩み寄ることで罪を重ねない、そうした自戒の姿勢が地味に胸に刺さる。戦闘シーンでスライムに拘束されると、すぐさま“劣化した身体”を見せびらかして敵の注目を逸らす作戦。死にもの狂いの滑稽。滑稽だけど、どうしようもなく真剣。

ボリュームはまたぎっしり。「無料サンプル11枚」でハートを射止められるか心配だったけれど、実際にページを重ねるごとに息苦しさが増す。ハプニングとしてのレイプではなく、延々と続く日常における交流の濃さがディテールを増す。村娘が傷跡にキスを落とす直前、主人公のこめかみがピクッと震える小さなカット。それを作者はコマ枠の外にまで飛び出させて、読者にまでその羞恥を押しつける。ページをめくる動作が身体全体で痛く、手が震える。震えるというより成熟して味わう痛みか。

気になる点

キャラの年齢割合が読み取りにくい部分がちらほら。特にパーティ内の魔法使いの台詞回りが少年少女どちらとも取れるのは少々混乱する。

こんな人におすすめ

転落敗北ものの“後日談”に興味がある人。誰にも見せたくない傷をさらけだしたまま、それでも「仕事を受ける」覚悟を持つヒロイン・ヒーローを求めている人。日常にへばりつく他者の視線を味わいながら、それでも踏みとどまる主人公にカタルシスを得たい人。

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